オニゴッコ3
ムシムシとした廊下を歩く。この学校には冷房が無い。一応冷房設置のことについて会議をしたそうだが、放置ということになったらしい。
「ふえぇ…暑いのですうぅ…」
「ダメだー あぢーじぬー…お、そうだ!購買行こうぜ!飲み物うってるかもしれん!」
「暑いのくらい耐えろよ…」
「いや!神が俺達は購買に行くさだめと言っている!」
神様が本当にそんなことを言ったのならそれこそこの国は神ごと終わっていると言えるだろう。
「そうですよ!!行きましょー!!」
二人がズンズン行ってしまうので、俺も渋々ついていった。
…神は引き返せと俺に言っている。
購買に見えた景色は、とても皆が楽しそうに昼食や文房具を購入する雰囲気ではなかった。楽しそう…ではあるのだが、中学の購買というシチュエーションではありえない煙草の匂い、着崩された制服。黄を中心とした赤から青まで色とりどりの頭、そう、これはつまり‘タムロ’である
「お、おい、もう帰ろうぜ…」
どこかのビビリキャラのセリフをポロっと口からこぼした。
とたんにやたら金属をつけた顔をこちらに向けた。
「アァ?ジロジロミテンジャネーヨ」
「ンダヨコラ」
「お待ちなさい」
1トーン下がった鎌達の声に全員がビクッとそちらを見た。
「ナ、ナンダヨ。モンクアンノカ?アア?」
「キメエンダヨサッサトドッカイケヨ…」
「お黙りなさい!」
気だるそうな発言は鎌達の一言でサッとかき消えた。
「このように平気に犯罪を犯す人間を見て…私は怒っているのです」
落ち着いた声の中の怒りが俺達の恐怖をひきたたさせた。
「この事は先生方に報告いたします。必ず何かの処罰が下るでしょう。」
「ウルッセエンダヨォオオオオオオオオオオオ!!」
鎌達に向かい拳を振り上げる不良は。その拳を片手で受け止められた
眼光に秘められた静かな怒りは、ピタッと不良の動きを止めた。
そして次の瞬間、小さな体が大きな男の体をなぎ倒した。
「スミマセンが、相手が暴力的な行為をとった、もしくはとろうとした場合、私達生徒会は手を出すことを許可されています。」
生徒会、、、?
鎌達は制服のポケットから何かを取り出し腕にはめた。
‘生徒会会長’
「へ、、、?」
声が漏れた。
「教師が不在の今は、我々生徒会が処置とらせていただきます!」
「ナンナンダヨ…ナンナンダヨオオオオオオ!!」
鎌達がゆっくり歩きだした、その時
「、、、!!逃げるのですみなさん!!」
鎌達が俺達の方へ向かって走りだした。それは何故か、アイツがいたのだ
「イッパイ イッパイミーツケタ」
さっきまでぬるい暑さがただよった購買が一気に冷たくなった。
「あ…ぁ…」
冷気は心の底さえも一気に冷やした。足が震えて動けない。
逃げないと、そんなことはわかっている。どんどん近づいてくる怪物。
次こそ俺は自分の最後を迎えるのだと思った。
「拓海さん何やってるんですか!早く!」
と鎌達に腕を引っ張られた。腕の温かさが体にしみる…足が動くようになった。
「あ、あぁ!!」
早く逃げよう。本当に死んでしまう
「マ、待ッテクレ!!」
「悪カッタ、、。悪カッタカラ助ケテクレエェ、、、!!」
鎌達に投げ飛ばされた奴だった。起き上がれないらしい。
「…」
「拓海さん!いきますよ!」
無理やりに鎌達に腕を引っ張られ、俺達は購買の周辺から逃げ出した。
彼の断末魔は廊下中に響き渡った。
あとがき
小説オニゴッコ!うごアニメ化しようと思いますのでこっちで小説を進めていこうと思います。3DSを所持しておらず、1,2話を見れていない方々も、ぜひ読んでください!1,2巻も後々投稿していこうと思います。3を読んでいただき、とてもありがたく思います!これからもぜひ小説「オニゴッコ」をヨロシクおねがいします!